ビニールの割烹着みたいなのを着て、透明のゴーグルを付けた看護師さんが病室に入って来ました
あまりに仰々しい格好に、母が理由を尋ねると、
「薬剤が散った時に被ばくしないために、つけています。」
。。。
そう、抗がん剤は劇薬なのです
その昔、まだ戦争中だった頃、ドイツである白血病患者が毒ガス製造工場で働いていました。
その白血病患者は奇跡的に、病状が良くなり元気になりました。
毒ガスの成分が、劇的に白血病に効いたのです。
毒を以て毒を制すとは、正しくこのこと。
これが、抗がん剤の誕生のお話です。
私が受けたのは、TC療法という抗がん剤治療です。
ドセタキセルとカルボプラチンという薬剤を点滴で打ちました。
まず、患側とは違う左腕に針をさし、吐き気止めを打ってもらいながら、検温と血圧測定。
あと、指先で酸素濃度?らしきものを測定。何のためにそんなことをするのか、未だにふめいですが。
検温をすると、37度あり、いつも36度程度の体温の私はややパニック障害になり
「これは、ひょっとして抗がん剤のせいで熱が上がっているのでしょうか」
などと、看護師さん詰め寄ってしまう始末に
これには、看護師さんは
「全然平熱ですし、まだ、吐き気止めだけで、抗がん剤打ってませんしだいじょうぶですよ」
と答えてくれた。
母は隣で、半分呆れて笑っていました
抗がん剤って毒ガスと成分が一緒なわけですよ恐いでしょ
法律事務所に勤めていた時に、依頼者で躁うつ病の方がいて、プラスとても質問が多い人がいました。
その方が、気になると数分おきに電話をかけてくることがあったりしたのですが、正直なところ、とても鬱陶しいタイプの人なのですが
この時ばかりは、その方の気持ちがよーく分かりました。
心配で気になるのは仕方ない
そして、パニック状態になったまま、吐き気止めが終わり、抗がん剤の開始になるのです。