これは、友達のモト君とリエちゃんと私とで、バンクーバーのデービーストリートにあるゲイバーのセレブリティに行った時のお話です
モト君はぱっと見、オネエぽい、ストレート男子です
そのモト君、セレブリティで踊っていると隣で踊っている、カナディアンのゲイにお尻を鷲づかみにされているではありませんか
(これは、いけないお助けしなければ
)
咄嗟に、涙目で石になっているモト君を、痴漢男から引きはがし、私の立ち位置と代わりました。
すると、痴漢男は
「どうして、彼と僕の仲を裂くのぉ」
って聞いてきた。
(当たり前だろう)
(あんた、見ず知らずの人に、お尻を鷲づかみにされたら、普通逃げるやろ気持ち悪い
)
と思いつつも
「彼ね。ゲイじゃないの。ストレートなの。残念だったね」
というと、痴漢男は
「彼は、シングルなの?」
と更に食いついてきた。
「シングルだけど、彼は女の子が好き。男は興味ない。ゴメンね」
何で痴漢に私が謝らなければならないのか、今となってはとても、腹立たしいのだが
謝らないといけないのは、痴漢男の方なのに
すると痴漢男は
「彼は嘘つきだ」
と言って、去っていった。
その後、モト君はトイレに行ったまま行方不明となり、店の中を探し回ってもいなくて、外に出たら、道の端っこで、小さくうずくまりながら煙草を吸っていた。
可哀想な、モト君
モト君は、
「いろんなゲイらしい人が、代わる代わる話しかけてくる。怖くて、身の置き所がない。早く帰りたい。」
そんなわけで、モト君は悲しいかな、トラウマになってしまったようです
ごめんよ。モト君。



法律事務所に勤めていた頃、ボスの先生と、若手の勤務弁護士にそのときの話しをすると、還暦近いボス弁は、如何にも、いらないと手を振りながら、
「もうええって そういうのって、理解でけへんわぁ。いや、俺が言うのはやな、そういうLGBTという人たちがいるのは、知ってるよ、分かるよ。でも、分からへんねん
」
ボス弁は人権派と呼ばれていて、LGBTの弁護士さんを雇ったりしたこともあるのですが、どうも、全部を理解しているわけでは無さげでした。
そして、
私と自分を指さしながら、こう続けます。
「こうこう(男と女)、お尻触ったらアカンやろ。そりゃぁ~男同士でも、一緒やで。あかんもんは、あかん。」
ボスと私がこういう話をしていると、隣の勤務弁護士はお腹を抱えて、爆笑してました。
世代によって感じ方は様々
因みに、勤務弁護士は修習生時代に、同期のゲイの修習生が選ぶ好みの男性ベスト3に選ばれて、ハニカミながら喜んでいた。
ググったら、男性でも電車の中で、痴漢とか痴女に触られる人っているみたいですね。
人によってはショックでも気を取り直して、飲みに行ったときに「ネタ」に出来ると思って笑い話にしたり、はたまたは、同性にそういう目で見られたということに耐えきれず、ショックから立ち直れない人、異性の場合は、突然触らずに、話しかけてくれたら良かったのにと思う人、いろいろです。
モト君も、笑い話に出来るくらいの、お兄さんになってくれたらいいんだけどな