ブログ

罪深い頑張れという言葉

こんにちは。。。

かこでございます。

さてさて、今日は弁護士秘書だった時代の

大失敗経験のお話を。

弁護士の秘書のお仕事は多岐にわたり、コ

ピー取りに始まり、書面の作成、被害者宅に

伺ってお詫び申し上げるというのもございまし

た。

弁護士秘書ってこんな仕事もするんだよって話

思い出しても、クラクラします。

秘書の仕事の大部分を占めるのは電話対応だっ

たりするのですが、依頼者への励ましだったり、時

には弁護士に促されるまま、叱ったりとかもありま

す。

困った人は結構多いです。

だから、弁護士のお世話になるような事態になるわけ

ですが。。。

ある依頼者さんがいました。

お父様が事業をされていて、資金繰りに困待った時に

手助けしてくれた人が、質の悪い筋の人だったとかで。

その人に言われるがまま、よく分からない借用書にハン

コを押し、莫大な借金を背負い込んだそうです。

お父様は大量のアルコールを飲んだ上、焼身自殺を

自宅で図り、自殺は未遂に終わったものの、体の殆ど

は丸焦げ、手足は炭化して切断するほかなく、眼球も

火傷が酷く両目とも失明してしまいます。

家族は

“父は自殺しようとしたのではない。保険金をだまし取ろ

うとした、筋の悪い人が自殺に見せかけて殺そうとした

んだ。父は下戸でお酒が一滴も飲めないから”

と言い、殺されかけたと信じていました。

当の本人はその時の記憶を失くしており、何を聞いても、

“記憶がない。”

ということで、真相は藪の中です。

筋の悪い人のターゲットは、家族に向かいまだ20代の

大学生の長男に集中しました。

“父の借金を返すという念書にサインして、ハンコを押せ”

というものでした。

これではチンピラヤクザの方がまだましなのではないか、

というような男が電話で脅してくる毎日。。。

20代の長男の心は限界に達していました。

そして、事務所に長男から電話があり、

ずっとずっとずっと辛くて、怖くて仕方ない。

どうしたらいいのか、あの男を早く止めてください。。。

とういう事を、延々と相談してくるのです。

たまたま、弁護士が不在で私が対応することとなり。。。

「うんうん。そうですね。困りましたね。でも、お父様の借金を

肩代わりする必要はないんですよ。

とにかく、ハンコは押さないで。

ハンコを押したら押したらで、話がややこしくなります。

家に来ると言っても、家には絶対に上げないで。。。

いいですね。

とにかく、頑張ってください。。。」

ここまで言うと、長男さんは突然。。。

今、頑張れって仰いましたよね

僕はもう、頑張っているのです。。。

これ以上、どう頑張ればいいのか。。。

教えてください。。。

と言って泣き出してしまった。。。

この時、私は時に

頑張れ

という言葉が、人を殺すことになりかねないという事を悟った。

トランスジェンダーの茜ちゃんも一番、人から言われて辛い

言葉が頑張れっていう言葉なのだと言っていた。。。

そらそうだわな。。。

皆さん。頑張れッという言葉は時に人の心を殺します。。。

気を付けましょう。。。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です