おはようございます。かこでございます。
私は以前、法律事務所で弁護士の秘書を
していました。
今、何かと話題になっておられる方と同じ、
パラリーガルというのという職業と同じです。

13年ほど勤めまして、分探しの旅に出かける
前に、元同僚からランチの焼肉を食べながら、
聞いた話です。




ある男の人が、警察署にやって来ました。
聞くと「さっき、そこで男の人をナイフで刺しまし
た。多分死んだと思う。」
というのです。
早速、取調室に入れられ詳しい事情を聞かれ、
警察は犯行現場に急行するのですが、刺された
人物はおろか、事件があった痕跡すら有りません
でした。
普通なら、「あんたなぁ~警察は忙しいんやから、
そんな嘘ついて、警察の仕事を邪魔したらあかん。
はい、チャッチャッと家に帰り。」
と言うところです。
この時は少しばかり、事情が違いました。
その時、その警察署では別件の殺人未遂の未解決
事件がありました。
もちろん、男の言う犯行現場もとも、犯行時刻とも、ま
してや、被害者の容姿などは全く違うものでした。
そして、刑事さんはその男に
「あんたがやったんのは、A地区じゃなくてB地区と違う
か。刺した日時も、勘違いとちゃうか??」
「まぁ~よう思い出せよ。B地区で刺したんやろ」
「無我夢中で刺したから、記憶がとんでるやでぇ」
そういうことを、毎日言われ、男も何を思ったのか。。。
(人は刺したには違いないから、まぁええか….)
という気分になり。
「B地区で私がこの男の人を刺しました」
と自供します。
そして、一応弁護士には本当のことは言っておきたくて、
「B地区で起きたのは私は、やっていません。私がやった
のはA地区です。人を刺したのには違いないので、B地区
のをやったとはいいましたが。。。でも、これは先生との秘
密にしてください。」
と言わなくていいことを言ってしまいます。
その時に私が聞いたのはここまでの話です。




焼肉を食べながら、元同僚と、事の真相の推理をしました。
①この男の人は、そもそもA地区では人は刺しておらず(事
件の痕跡もないので)、本当はB地区でやっていて、公判に
なったら、一転B地区の犯行を否認してB地区の殺人未遂に
ついては無罪を勝ち取ろうとしている?
②この男の人は、ずばり心の病気。何もやっていないのに、
警察に出頭して、運悪く別件の殺人未遂で冤罪を着せられ
そうになっている。
どっちにしろ、弁護士にしては迷惑な話だなぁ
と言うことになりました。
この事件の限りなくこれが真相という話が聞けるのはそれ
から、4年後のことです。
さて、皆さん想像してみてください。