こんばんは、かこでございます。
私は、日本のカレーはあんまり好きではありませんが
インドカレーが大好きです。

理由は簡単。
インドのカレーは美味しい。
以前私が、法律事務所で秘書さんをして働いていた頃、クライアントに
インド人の方がいて、日本でインド料理レストランを経営しておられまし
た。
彼が作るカレーは絶品で、事務所に来るたびにお手製のカレーとナンを
お土産に頂いていました。
彼の愛称はサニーさん。。。
いつもニコニコして、とても礼儀だたしいオジサマでした。
ある日午後、サニーさんはやって来ました。
珍しくたいそう不機嫌で、手にはレトルトのカレーを持っていました。
真顔で、事務局のカウンターの上でレトルトカレーの箱を手に取り
“これを見てどう思いますか”
箱を見ると、でっかい字で
ビーフカレー
事務局の秘書たちは
“美味しそうですね。どこで売ってたんですか”
サニーさんは、更に不機嫌となり
“そうじゃなくて、この絵をみて何とも感じないの”
よく見ると、何だかインドっぽいゾウと人間を足して二で割った
ような、ものが描いてあった。
“何も感じませんよ。何で。。。”
という感じです。
私にも、
“これ、何に見えますか”
見ようによっては、仏像ぽくも見えたので
“お釈迦様でしょうかね。。。”
と言うと
“ほらっ彼女は理解してるよ。。。
これインドの神様よ”
インドの神様はいいとして、なぜそんなにキレッキレに
怒っているのかと聞くと。。。
インドの神様の上にビーフカレーと書くとは何事ぞ
ビーフカレーのパッケージにインドの神様を使うの
は、インドの神様とヒンズー教徒に対しての冒涜以
外何物でもない。。。
私は、これを作って売っている業者を訴えたい
と力強く語りだした
弁護士が出てきて話を聞いても、
“サニーさん、これ美味そうやな。。。へぇ訴える
…そりゃちょっと
無理やな。。。 作ってはる業者もそこまで、悪いことやと自覚してへん
と思うけどな。。。”
と、笑っていた。。。
笑い事では済まないのは、サニーさんである。
けしからん、ニッポン&ニッポンジン
どうして、ヒンズー教徒のココロのイタミ、理解できないのか状態に陥り
だしました。
訴えるにしても、勝つ負けるの話ではないし、結局のところ
“すみません。認識不足で”
の一言を言ってもらいたいという感じだったので、弁護士は顔馴染みの大
手新聞記者に電話をしました。
そのビーフカレーを作り販売していたのは、大阪では大手の百貨店だった
ので
“○○百貨店にビーフカレーを売っててな、そのパッケージがヒンズー教の
神さんらしいねん。でな、ヒンズー教徒って牛食わんやろ、宗教的になアウト
やん。それで、えらい、知り合いのインド人がな、怒ってんねん。これってな
キミのところで、記事にでけへん ワシはおもろいと思うけど、どう
”
馴染みの新聞記者は、そのビーフカレーを作っている百貨店に取材をして
それから暫くして、夕刊の社会面にデカデカと、ビーフカレーパッケージの件
が載りました。
新聞では、この国際化が進む日本でいろいろな国の文化であるとか、考え方
を理解せずいることは、ビジネス上問題だというようなことを書いていたような
気がします。
百貨店側もインド文化への認識不足を認めて、平身低頭になりカレーコーナー
からそのパッケージの撤去しました。
自社ブランドのカレーだったので、デザインを変えて販売するんだそうです。
牛を神の使いという立ち位置で、食肉にするのはタブーな筈ですが、ヒンズー
教徒の皆さんは、牛乳やチーズは飲むし食べます。
サニーさんに
“牛肉はダメなのに、どうして牛乳はいいの”
と聞いた、同僚秘書に彼はこう言いました。
“あなたは赤ちゃんの時お母さんのオッパイ飲んだでしょ。私たちがミルクを飲
むのはそれと一緒です”
と答えました。
妙に、説得力があって何も言い返せませんでした