
自分探しの旅に出かける前に、元同僚からランチの焼肉を食べながら、聞いた話です。
ある男の人が、警察署にやって来ました。
聞くと「さっき、そこで男の人をナイフで刺しました。多分死んだと思う。」
というのです。
早速、取調室に入れられ詳しい事情を聞かれ、警察は犯行現場に急行するのですが、刺された人物はおろか、事件があった痕跡すら有りませんでした。
普通なら、「あんたなぁ~警察は忙しいんやから、そんな嘘ついて、警察の仕事を邪魔したらあかん。はい、チャッチャッと家に帰り。」
と言うところです。
この時は少しばかり、事情が違いました。
その時、その警察署では別件の殺人未遂の未解決事件がありました。
もちろん、男の言う犯行現場もとも、犯行時刻とも、ましてや、被害者の容姿などは全く違うものでした。
そして、刑事さんはその男に
「あんたがやったんのは、A地区じゃなくてB地区と違うか。刺した日時も、勘違いとちゃうか??」
「まぁ~よう思い出せよ。B地区で刺したんやろ」
「無我夢中で刺したから、記憶がとんでるやでぇ」
そういうことを、毎日言われ、男も何を思ったのか。。。
(人は刺したには違いないから、まぁええか….)
という気分になり。
「B地区で私がこの男の人を刺しました」
と自供します。
そして、一応弁護士には本当のことは言っておきたくて、
「B地区で起きたのは私は、やっていません。私がやったのはA地区です。人を刺したのには違いないので、B地区のをやったとはいいましたが。。。でも、これは先生との秘密にしてください。」
と言わなくていいことを言ってしまいます。
その時に私が聞いたのはここまでの話です。




焼肉を食べながら、元同僚と、事の真相の推理をしました。
①この男の人は、そもそもA地区では人は刺しておらず(事件の痕跡もないので)、本当はB地区でやっていて、公判になったら、一転B地区の犯行を否認してB地区の殺人未遂については無罪を勝ち取ろうとしている?
②この男の人は、ずばり心の病気。何もやっていないのに、警察に出頭して、運悪く別件の殺人未遂で冤罪を着せられそうになっている。
どっちにしろ、弁護士にしては迷惑な話だなぁ
と言うことになりました。
この事件の限りなくこれが真相という話が聞けるのはそれから、4年後のことです。
さて、皆さん想像してみてください。